食事介助では、介護職の介助を行う位置が、利用者の食事の進み方や嚥下の状態などに影響する。この食事介助は介護の仕事では欠かせない業務の一つのため、前もって知識をつけておくと転職先でも仕事がしやすくなるだろう。介護業界は慢性的に人手が足りず、他の利用者にも対応ができるようにという理由から、利用者の正面から中腰状態で食事介助をする介護職も多い。しかし、正面からの介助では、スプーンなどに乗っている食べ物が利用者から見えづらくなってしまうものだ。

また、見えないということは恐怖感を与え、のけぞるような姿勢になることはもちろん、次第に利用者は口を開けなくなることにもつながりかねない。そのような状態で、たまたま利用者が口を開けたタイミングで食べさせても、飲み込む準備ができていないため口腔内に食べ物が残る。そうなると、誤って気道に入ってしまう可能性が高まるため注意が必要だ。

こうしたケアを続けていると、発熱などの顕著な変化がなくても、食事や水分量の摂取が減少したり、呼吸がしんどくなる、つまり誤嚥性肺炎などを引き起こしやすくなる。高齢者は、誤嚥性肺炎のリスクがもともと高いことを理解し、しっかりと前傾姿勢をとってもらうためにスプーンの角度を適切にすることが重要である。利用者に麻痺がない状態では、可能な限り45度から真横の範囲で、利用者の口角を目指すようにしてスプーンを持っていくことも食事介助のポイントだ。食事に限らず、中腰姿勢の介助はスタッフの腰痛の原因にもなるため注意が必要である。食事介助のスキルのほかにも、「介護職の転職はまずこれを見て!」に目を通しておくことで、転職活動が有利に進むいろんな情報が得られるだろう。